オーストラリア -Australia-

オーストラリア -Australia-

2012年のオーストラリア旅のまとめ。

今年の夏の写真展である程度まとめることができたが、ブログでも備忘録を兼ねて少し書くことにした。

オーストラリアを訪れた最大の目的は、皆既日食を観ることだ。皆既日食と聞いてもあまりピンとこないかもしれないが、簡単にいえば月が太陽を覆い隠す現象である。2012年に金環日食が日本で見れたのは記憶に新しいが、皆既日食はまた別ものである。

オーストラリアを訪れるのはワーキングホリデーで滞在して以来、約7年振り。皆既日食は北東部のケアンズ付近で観られるということだったが、せっかくだから他の町にも行きたい。南西部のパースにとてもお世話になった家族がいるため、パースインしてそこからケアンズまで行くことにした。

ケアンズまでバスや電車で行くかヒッチハイクで行くか色々考えたが、「同じことを考えてる人が他にもいるんじゃないか」と思い、ネットで探してみた。するとたまたまパースからケアンズまで車で行くという日本人の方が仲間を募集してたので、すぐに飛びついた。しかもずっと憧れだったキャンピングカーで行くという。その時点でこの旅が素晴らしいものになることを確信した。何かに押されるように物事がポンポンと進む時には、必ずいい出会いや巡り合わせがあるからだ。

そうして見ず知らずの人達とパースの町のレンタカー屋さんで待ち合わせることにし、オーストラリアへと飛んだ。

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キャンピングカー期間とルート
期間は2012年10月30日~11月15日の約2週間。ルートは赤線部分。南西部のパースからスタートし、北東部のケアンズまで。

まずパースを北上し、貝殻だけでできたシェルビーチという場所へ。再びパースに戻り、東へ。エスペランスというところでオーストラリア随一の海を見て、何もないナラボー平原をひたすら走り、アデレードへ。そこから少し戻り北上してアウトバックと呼ばれる内陸部へ。ウルル(エアーズロック)では国立公園を堪能するために2泊。皆既日食はケアンズから少し北上したポートダグラスという小さな町で観た。

ワーホリ中にも車で1周したため、今回のルートはほとんど一度通ったことがあった。そのおかげでもう一度訪れたかった場所をいくつかおすすめし、行くことができた。

その後ケアンズで解散し、ワーホリ時代に住んでいたサーファーズパラダイスをひとり訪れた。

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奇岩ピナクルズ@ウエスタンオーストラリア

共に旅した仲間
・けーぶんさん
40代?男性。なぜか日本でもキャンピングカーを所有しており、今回の旅で色々教えてもらったし、とても頼りになる存在。仕事は何をしているのかよくわからないがサラリーマンらしい。そのわりにしょっちゅう海外に遊びに行っている。10人乗りくらいまでの飛行機を運転することができ、毎週末どこかの空を飛んでいる。それに関する著書もあり。別名「機長」。

・ちーさん
30代女性。今回のキャンピングカー旅の首謀者。1年のほとんどを海外旅行で過ごす。仕事をしているのかも不明。高校生の息子さんがいる。旅中はずっと語学勉強をしていた。特技は歯ブラシをくわえたまま眠ること。

・えみちゃん
20代女性。当時世界一周をスタートしたばかりだった。お金がだいぶかかるにも関わらずこのキャンピングカーの旅に参加したのは非常に賢明だと思う。特技は路上で爆睡することと、キャンピングカーの後部座席から運転席まですっ飛ぶこと(急ブレーキのせいで)。その後無事世界を周り日本に帰ってきた。

走行距離
約10,000km(直線距離で東京~パリくらい)

故障回数
2回。

命に危険があったりケガをしたりお金がかかったりしなければ、旅中のトラブルというのは旅をより面白く、思い出深いものにするためのエッセンスでしかない。

出発2日目にしてバッテリーがおかしくなりスーパーの駐車場で一晩を過ごすハメになったが、そのときもただ「運がいい」としか思っていなかった。その理由は、

・動けなくなったのが町中だったこと。修理工場が近いし、水や食料の不安なし。

・旅の初期だったこと。もし皆既日食直前に故障などしたら、観測できなかったかもしれない。なによりトラブルが、出会って間もない仲間との結束を強くしてくれる。

・もしこのまま進んでいたら大事故にあっていた(普段からトラブルが起きるとそう考えるようにしている)

ちなみに2回目の故障は荒野の真ん中だったが、そのときもそれはそれで素晴らしい経験ができた。

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彼にも出会えた。

荷物
ほとんどはキャンピングカーでの生活ということで三脚やウクレレなど、かさばる荷物も持って行った。カメラレンズは16-35mmと24-105mmの2本。

費用
細かく計算していないが、トータルでおそらく30万円くらい。

キャンピングカーレンタル代だけで1人あたり約9万円。ガソリン代も予想外に高く、同じかそれ以上かかった。借りていたキャンピングカーは軽油で走るのだが、オーストラリアはハイオクよりも軽油の方が高い。そして燃費も非常に悪い(車体が大きいのでしょうがないが)。そして物価が高いうえに為替レートも良くなかった。

飛行機のチケットは約1ヶ月前の購入だったが、日本~オーストラリア往復で約52,000円と抑えることができた。

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朝日に照らされたウルルを眺めるどこかの国の人

皆既日食
残念ながらこればっかりは文章や映像ではほとんど伝わらない。正直なところ写真をやってなければよかったと一瞬後悔した。それぐらい、写真を撮るために一瞬たりとも目を離したり、気を散らすことなく、目の前の現象に集中したかった。終わった後の余韻がものすごく、30分間鳥肌が消えなかった。

旅を終えて
パースやサーファーズパラダイスでは以前お世話になった人にも再会することができた。また、車が2回故障した他にもガス欠になったり、カンガルーを轢いてしまったり、最初の待ち合わせに自分が1時間遅刻してしまったりと色々トラブルもあったが、全てをひっくるめて忘れることのできない思い出深い旅となった。

キャンピングカーの旅も面白くまた快適で、旅の手段としては非常におすすめである。お金はかかるが、経験は何物にも代えがたい。

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毎晩のようにこんな星空を眺めていた

そしてオーストラリアは、日本では決して見られないとてつもなくスケールの大きな自然を持つ国。2回もじっくり周ったがまだまだ見たい景色や行きたい場所がある。しばらく行くことはないと思うが、またいつか訪れたい。

※下記のURLに、この旅の写真をアップしました。写真展で展示したものを中心に50点掲載しています。
http://tochikubomakoto.com/wp/project/australia1