オーストラリア番外編 -side story of Australia-
オーストラリア番外編 -side story of Australia-
8年前ワーキングホリデーでオーストラリアを訪れたとき、南西部の町パースでお世話になったご家族がいた。
当時もオーストラリアを車で旅している途中で、東部のサーファーズパラダイスをスタートし、一ヶ月かけて12,000kmを走りパースに辿り着いた。そこでメンバーは解散してバラバラに。ひとりになってから何をするかも決めてなかったので、ひとまずパースに数日滞在することにした。
翌日パースの町をブラついていると「日帰りでファームを手伝いに来ませんか?」という張り紙を見つけた。イギリス人の旦那さんと日本人の奥さんが営んでいる農場で、興味がわき電話をすると、ぜひとのことだったので翌朝早速向かうことにした。
パース駅から電車に2,30分程揺られ約束の駅に着くと、日本人女性が迎えに来てくれていた。ひろえさんというその女性は関西弁で明るく話しかけてくれた。
旦那さんの名前はロス。基本は英語だが関西弁をたまに話す気のいい旦那さん。息子のトーマスは4歳(たぶん)。それともう一人、ひろえさんのお腹の中には赤ちゃんがいた。
8年前、農場と工事中の家
ロスとひろえさんの農場はとても広く、その中心部には家族の新たな家が建設中だった。なかなか工事が進まないとぼやくのを聞き、オーストラリアらしいなと思った。
農場はまだこれから作っていくという感じで、柵作りなどを手伝った。
「今後も手伝ってくれたら寝るところと食事を提供してあげるよ」と言ってくれたので、翌日にはパースで泊っていた宿を引き払いお世話になることにした。
そこから1カ月近くお世話になり、様々な経験をさせてもらった。
柵を作る以外にもトラクターを運転したり、羊や牛を追いかけて誘導したり、羊の爪を切るために捕まえて抑えつけたり(これがものすごく大変)。柵に頭が挟まってしまった牛を、柵を切断して助けたりもした。
若き日の僕がそこにいた
中でも牛の出産を手伝ったのは特に印象的で、逆子だったためロスと一緒に引っ張り出したのだが、残念ながら死産だった。その後穴を掘って子牛を土に埋めるところまで手伝ったが、それがなんとも辛かった。母親も体を痛めて立ち上がれなくなくなってしまい、とてもかわいそうだった。
動けなくなったお母さん牛
自分の足に謎の湿疹がいくつもできた時はすぐに病院に連れて行かれ、そこで疥癬(伝染するダニ)という診断を受けた。そこで伝染を防ぐため、家中を掃除したうえにありとあらゆるものを熱湯で洗濯するという面倒をかけてしまったり(靴まで)。
またとある深夜にはロスとケンカしてしまい、そのまま荷物をまとめて出て行きかけたところをひろえさんに引き留められ、何故か3人で涙したことも(笑)
トーマス(たぶん4歳)
作業よりも多くの時間をご飯やお酒をごちそうになったり、色々なところに連れて行ってもらったりと、とにかく良くしてもらっていた。今思うと全然役に立ってなかったような・・・笑
そんな家族と、昨年の旅で8年振りに再会。
ロスとひろえさんは相変わらず、トーマスはいつの間にかギターの名手に、お腹にいた赤ちゃんはシャンテルというかわいい女の子になっていた。
彼らと過ごした3日間の写真を下記にアップしたので、年末年始の暇つぶしによかったらご覧ください。